丹沢裕子 ぐいのみ

小さい頃から　食べたいものを食べ　
自分が　着たいと　思う服を着ている。

これが　地味好みの　母には　どうも　お気に召さない。
私の服装は　いつもマークされている。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↑　服の背中側

基本的に　シンプルな服装が　多いのだが
こういうタイプも好きで　たまに着たりする。


そして　母に会う日、あろう事か、私はこの服を着ていた。


でも　この服は　正面は　装飾のない　シンプルなシルエットそのもの。。

母は　高齢ゆえ　座ってる事が　多い為
『　そうだ、後姿をみせない作戦でい～こう！！　』　と心に決めた。


「　調子はどう？　」　挨拶も　真っ直ぐ歩み、正面から　正面から。。　
すべて真正面から　真正面から。。

作戦は　順調に推移している様に思われたが・・　
好事魔多し！！　突然　油断が私を襲った。
うっかり　体をひねったのだ。。

その瞬間、母の眼球が　キラッと鋭く光った。

その瞬間から　穏やかな空気は一変した。　


私の作戦は　失敗に終わり　
母のお小言を聞かされる日と化したのであった。。 あはっ



　　　　　　　ｂｙ丹沢裕子　ぐいのみ　(私物)　　ｂｙ村松英治　南蛮皿　１５７５円