ガニ股 こぎこぎおじさん

開店前の涼しい時間に　レイチェルをお散歩に連れ出しています。

タッタラ、タッタラ　今日も　レイチェルはご機嫌で
シッポを振り振り　歩く様子も可愛い。


と　後ろから　

「　ポン太くん　」

「　ポ～ン太くん　」

と　レイチェルの事を　ポン太と　当てずっぽうで
呼ぶ声が聞こえてきた。

えらく　ご機嫌な様子の　おじさんである。

ポン太じゃないし、君でもないし　（レイチェルは女の子）

それにしても　ポン太って　・・・（笑）


と振り返れば　自転車を　ガニ股こぎしている　上下ステテコ姿の
赤ら顔の　知らないおじさんがいた。


とても　ご機嫌に　ガニ股こぎに合わせて
体も左右に揺らしている。

朝っぱらから飲んでる？　
亀有公園前派出所の両津勘吉みたいに
サンダルばきであったかどうかは　確認出来なかったが　前のかごに　
ビニールいっぱいの　食パンの耳が　入っていた。　

　　　パンの耳・・？？？

そして　「　ポン太くん　可愛いねえ～　」　と　
ガニ股で　こぎこぎしながら　私達を追い越して行った。


　　　◇　◇　◇　◇　◇　◇　◇　◇


そんな　ガニ股こぎこぎおじさんの事も忘れ　
レイチェルが　橋の上で　涼んでいる間　
川面に目をはせば　水鳥が数羽　泳いでいる。

気持ちのいい光景である。

すると　突然　白い物体を水鳥めがけて　大きなアクションで投げている人が目にとまった。

白い上下のステテコ姿、白い物体は　パンの耳。　

　　「　あっ、ガニ股　こぎこぎおじさん！！」


相変わらず　ご機嫌そうである。

鼻歌が聞こえてきそうな光景の遭遇に
ちょっと得した気持ちになった　朝の一コマでした。（笑）




ｂｙ中垣連次（岐阜）鳥の模様の盃